高齢者住宅の建築空間にとって、領域性が住環境の重要な構成要素である。人間の生活空間は誰が掌握し、誰が管理責任を有しているかによって決定される。個人の日常性において、その空間は「プライベート・エリア」「セミプライベート・エリア」「セミパブリック・エリア」 「パブリック・エリア」の四エリアに区分される。ある生活空間が「ここは私の生活空間だ」と世間に誇れるフィーリングをもたらさない場合、その個人にとって、自己の存在と自由を否定される事になる。
●出典書籍:世界の高齢者住宅「プライバシーと自立の実現」
J・デイヴィット・ホクランド著:鹿島出版会発行